科学映画の大学講義での利用について


私立大学 栄養系学科 准教授
 
 大学の管理栄養士養成課程で2年次の食品学や3年次の食品機能学の講義を担当しています。これらの講義での科学映像館の映画を活用しております。

 2年次の食品学では、コメやホウレンソウなどの様々な食材を取り上げながら、1年間で、主な食材に関して講義します。後期には、パンやアルコール飲料などの加工食品についても講義します。それぞれの食品の栄養的特徴、し好的特徴、健康機能に関する特徴、さらに保存性、調理加工特性などについて講義します。講義のなかで、「ビール誕生」、「生命の牧場」、「カルピス誕生」、「うま味と生命」、「生きているパン」などを見てもらっています。これらの映画は、1940年代から1960年代に作られた映画ですが、食品の製造方法に関する原理・原則がわかりやすく描かれています。また、当時の開発技術者たちの息づかいがわかるほど、迫力のある映像です。年代ものの映画ですが、管理栄養士の国家試験では、食品製造の原理・原則が重要なため、単純な製造方法が大変わかりやすいと考えています。

 3年次の食品機能学では、食品が持っている身体に対する健康機能について講義します。その際、「THE BONE」、「骨を丈夫にするMBP」など骨に関する映像を学生に見てもらっています。現在の日本人の食生活で唯一不足している栄養素がありますが、それはカルシウムです。カルシウムは生命の維持に重要なため、身体の骨に沢山蓄えられています。不足すると、蓄えられていた骨からカルシウムが少しずつ取り出されて、生命が維持されますが、骨粗鬆症の原因の一つになってしまいます。骨を丈夫にする食品やその成分はたいへん重要といえます。栄養系の大学3年生ですから、解剖学や生理学の講義で、骨の構造やその細胞について学んでいます。ところが、実際に骨が壊されたり作られたりする映像を見たことはありません。そこで、これらの映画を講義の中で見てもらってから、骨をじょうぶにする機能性食品の講義をすると、印象が大きく変わります。

 映画を見ることは疑似体験といえます。座学の講義より体験の方が教育効果の高いことに異論を持つ方はいらっしゃらないと思います。
 

「埼玉県文化振興基金助成事業」により配信しています。

 

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