種子の中の海 イチョウの精子と植物の生殖進化

スタート

株式会社東京シネマ新社
35分 日本語版・英語版
 
 

 イチョウは春、花粉を飛ばします。花粉が若いギンナンの内部に取り込まれると卵が作られ始めます。  それから約4ヶ月後、成長したギンナンの内部で卵は成熟します。花粉は花粉管を伸ばし、その中に精子を作ります。同じ頃、イチョウは種子(ギンナン)の中に精子が卵まで泳ぐ「海」を用意します。この「海」を泳いで精子は卵と受精します。


 コケ植物・シダ植物などの原始的な陸上植物は精子を放出し、外界の水に泳がせて受精します。被子植物などの高等な植物は、雄しべから雌しべへ花粉を届けます。花粉は雌しべの水分と養分を利用して花粉管を卵まで伸ばし、直接精細胞を卵へ届けます。


 この2つの生殖方法を進化的に繋ぐのが、1896(明治29)年に発見されたイチョウ精子(平瀬作五郎)であり、ソテツ精子(池野誠一郎)でした。植物は生殖の瞬間はダイナミックに動きます。しかし、最もデリケートな時期でもあるので、生きている状態での観察は困難でした。近年、日本の植物研究は生きている状態での裸子植物の精子による受精と、被子植物の重複受精の観察・撮影を世界で初めて可能にしました。


 この作品では原始的な植物から高等な植物までの、生きている状態での生殖の有様を、段階を追って一覧し、陸上植物が辿ってきた生殖方法の進化を考えます。

 
監修・学術指導
筑波大学生物科学系 教授 理学博士 堀 輝三
  
学術指導・協力 (ストーリー展開にしたがって)
コケ・シダの受精:筑波大学生物科学系 講師理学博士 宮村 新一
メソスティグマ :筑波大学生物科学系文部技官 理学博士 松永  茂
シダの精子: 筑波大学大学院博士課程 生物科学研究科 坂牛 真司 
イチョウの光学顕微鏡切片試料作成:
筑波大学研究協力部研究協力課技術専門職員 路川 宗夫
被子植物トレニアの受精:
東京大学大学院理学研究科生物科学専攻教授 理学博士 黒岩 常祥 
助手 理学博士 東山 哲也
 
映像資料提供 
コレオカエテ:
アメリカ ウィスコンシン大学植物学教室 教授 リンダ・グラハム博士
シャジクモの精子:
オーストリアウィーン大学植物生理学研究室 教授 ワルター・G・ウール博士
ザルツブルク大学植物学研究室教授 オスカー・キーヤマイヤー博士
ドイツ国立科学映画研究所(IWF)
 
協力機関・施設 
東京大学理学部付属小石川植物園
CRVdisc貸与 ソニー株式会社
 
 

演出:鈴木 由紀
選曲:山崎 宏
製作:岡田 一男
 

撮影:谷口 常也
解説:遠藤 みやこ
 
 
受賞
第41回科学技術映像祭科学技術庁長官賞
第21回ロンダ(スペイン)UNICAJA国際科学映像ビエンナーレ最優秀学術映像賞
第11回TEPIAハイテク・ビデオ・コンクール TEPIAグランプリ 
 

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