ウェル ドレッサーをつくる

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教育社会東京シネマ

作品概要

製作:日本洋服技術者協会実行委員会 
撮影:東京シネマ
協力:御幸毛織株式会社
1962年 原版白黒16mm 85分

つくる人:関根秀吉 着る人:藤原義江 まとめ役:磯島定二

関根秀吉は、かつて日比谷交差点きわにあった日活ビル地階アーケード街の名店「テーラー関根」の店主で、腕利きの名テーラーだった。この記録は、齢70を超しても、なお現役で頑張り、かつ後進の育成にも熱心な関根の卓越した技術を記録保存しようと、現在の全日本紳士服デザイナー協会の前身、日本洋服技術者協会が実行委員会を立ち上げ、記録に取り組んだ。

撮影と仕上実務を引受けた東京シネマのプロデューサー、岡田桑三も関根秀吉を贔屓にしており、しばしば服を注文するだけでなく、英国に出張すれば、仕事の合間にシビルローの服地店を訪れ、仕立を関根に頼むべく生地を選び、関根の使用する仕立用のチョークを手配し、持ち帰ったりしていた。

1959年に関根は、服装生活社より「モーニングの裁縫:礼服の急所」を著し、雑誌「洋装」1960年11月号の別冊付録に、~モーニングの裁縫:関根秀吉先生の妙技公開~を出しており、これら出版の後、満を持し男子の最高礼服である燕尾服の裁縫記録映像化が行われた。

モデルは、オペラ歌手、藤原義江が務めている。岡田桑三に聞いたところでは、予算的には非常に厳しく、藤原には仕上がったドレスを贈呈するという条件で、謝礼無しだったが、快く引き受けてくれたそうだ。帝国ホテルを根城とする藤原にとって、日活ビルは至近であり、関根秀吉の精根込めて仕立てる燕尾服の逸品は、藤原にとっても垂涎の一着だったに違いない。

撮影は丸5日間、実際に燕尾服を仕立てるテーラーの教本映像たるべく、勘所を関根が、随所で語る85分の堂々とした長編作品である。

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