日本の音風景100選から 新潟・長野編5話

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教育自然東京シネマ新社

作品概要

制作:東京シネマ新社 企画:日本ビクター
1998年 カラー 全42分

(1)福島潟のヒシクイ 7分30秒

福島潟は新潟県内最大の潟湖で、阿賀野川の東、豊栄市の南東に広がる。植物は、北限のオニバスをはじめ350種の水生・湿生植物が自生し、鳥類は、国内最多の飛来数を誇る天然記念物オオヒシクイなど220種が観測される自然の宝庫である。また、渡り鳥の調査拠点にもなっている。

四季折々、この潟では野鳥のさえずりを楽しめるが、特に周囲の風景がモノトーンの冬の季節、体に響くようなオオヒシクイ(豊栄市の鳥)の大きな鳴き声とV字型の雄大な飛行は、聞いた人、見た人にしかわからない一聞、一見の価値が確かにある。オオヒシクイの故郷の1つ、福島潟の自然環境をいつまでも守りたい。

(2)尾山のヒメハルゼミ 7分38秒から

能生白山神社の裏山の社叢は尾山といわれ、日本海岸の暖帯林の北部限界地で、地域の人の篤い信仰に守られてきた。そのため自然の植生が残っており、能生ヒメハルゼミ発生地として社叢とは別に天然記念物に指定されている。

ヒメハルゼミはセミ類の中ではもっとも小さい仲間に属し、体長は約3センチ。体が小さいわりには鳴き声が大きい。日本海側では兵庫県と、ここ能生町だけに発生し、能生町が北限地となっている。どちらも神社の社叢である。

7月中旬からは山全体で、ヒメハルゼミの大合唱(蝉しぐれ)が聞ける。「音頭取り」と呼ばれる雄に合わせていっせいに鳴いたり鳴き止んだりする様は、夏の音風景の1つ。(Weblio辞書から)

(3)善光寺の鐘 16分19秒から

長野市は善光寺の門前町として栄えてきた。善光寺は大昔から極楽往生をかなえてくれる仏さまとして語り継がれ「一生に一度は善光寺参りを」と、庶民からも厚い信仰を受ける古刹だ。

梵鐘は高さ180センチで、多数の印刻名がある。それによると寛永九年(1632年)に鋳造した鐘が破損したため、寄付金を集めて寛文七年(1668年)に完成された。

「ごぉ~ん、ごぉ~ん、ごぉ~ん」と、おごそかに時を告げる鐘の音、その昔は「善光寺の鐘が聞こえるところでは杏が実る」ともいわれ、約20キロ離れた杏の名所、更埴市森まで聞こえたという。

鐘楼は切石積みの高い基盤の上に立つ入母屋づくりで、柱は6本。
「南無阿弥陀仏」にちなんだという。

(4)塩嶺の小鳥のさえずり 25分47秒から

塩嶺は八ヶ岳中信高原国定公園の一角にあり、長野県の”小鳥の森”にも指定されている。

この峠一帯は、広葉樹と針葉樹が混在していて、四季を通じて、繁殖鳥、留鳥、漂鳥、南鳥、冬鳥など多種多様の野鳥が確認されている。特に初夏にはカッコウ、アカハラ、キビタキなどの声がにぎやかだ。

昭和29年(1954年)から始まった「塩嶺小鳥バス」は、野鳥研究の専門定期バスで、5月、6月の日曜の早朝に運行されている。愛鳥精神で自然を楽しみ、大切にしようというのが目的だ。

すがすがしい朝の光の中、窓の近くや遠い谷間で小鳥たちのさえずりが聞こえる。日本野鳥の会のガイドにレクチャーを受けながら、森の中を歩くのも楽しい。

(5)八島湿原の蛙鳴 33分33秒から

あざみの歌の舞台になった八島湿原は、標高1,600mを超える高原にある。6月のレンゲツツジから9月のマツムシソウへと短い夏は、一気に最盛期を迎える。短期間に咲きそろう400種を超える高山植物や100種以上の蝶類に混じって、貴重なカエルの生息地でもある。

初夏にはシュレーゲルアオガエルが「カラララララ」という恋の歌を歌い始める。普通の雨蛙よりずっと高く、透きとおった鳴き声がよく響く。ほかにも「カッカッカッ」と鳴くヤマアマガエルなどの声も聞こえてくる。

湿原全体が天然記念物に指定されているが、湿原をグルリと一周できる遊歩道(約3.5キロ)が整備されているので、雑踏を離れ自然との対話を楽しみたい。

スタッフ

演出:岡田一男、鈴木由紀
撮影:谷口常也、草間道則
音声:磯山直樹、清水繁
ナレーター:石原良
プロデューサー:吉田博、岡田一男



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