日本の音風景100選から 富山・石川編5話

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教育自然東京シネマ新社

作品概要

制作:東京シネマ新社 企画:日本ビクター
1998年 カラー 全52分

(1)称名滝 8分50秒

流れ落ちる音が称名念仏に聞こえたという伝説がある称名滝は、落差日本一の滝とされ、日本の滝百選の1つでもある。周囲の険しい崖の景観とともに、350mの高さから四段になって流れ落ちる滝の音を楽しむことができる。

(2)エンナカの水音とおわら風の盆 8分54秒から

越中八尾は、富山平野が飛騨山地にかかるあたり、越中と飛騨を結ぶ要として350年の歴史の重みを感じさせる町並みをも持つ。坂の町筋には、家々の軒下に溝があり、川水が気持ちいい音をたてて流れている。これが「エンナカ」で、冬に屋根雪を流し運ぶための知恵である。

この八尾の町が、年に3日間、踊りに酔う。風を治め(210日)五穀豊穣を祈る「おわら風の盆」である。三味線、胡弓、太鼓の哀調をおびた調べにのって、坂の道にぼんぼりの灯がともるころ、坂道の上手か下手から踊りの輪が生まれてくる。

女性は深編笠に浴衣でしなやかに、男性は黒法被、黒股引できりっと躍動的な踊り。9月1日から3日まで、八尾の町はおわら節に熱く燃え上がる。

(3)井波の木彫りの音 22分19秒から

富山県の南西部、散居村で名高い砺波平野の南端にのどかに連なる八乙女山の山麓に、ひな壇のように静かにたたずむのが井波町。600余年の歴史と北陸随一の威容を誇る瑞泉寺の門前町として栄え「信仰と木彫りの里」として知られる。

古い町並がつづく石畳を歩いていると、どこからともなく木の香りとともにトントン、コツコツと心地よい木彫りの音が聞こえてくる。

彫刻師の数は300人を数え、200年の伝統の技法を今に伝えている。町の通りに面している工房の数は150軒ほど、両側で一心にノミを振るう職人たちの木を刻む姿や槌音にふれることができる。訪れる人々の多くが足を止める風景が、また独特の風情を醸し出している。

(4)本多の森の蝉時雨 33分16秒から

ヒグラシは、沖縄を除く日本全土に分布し、東京以北では平地に、関東以西では山地のスギ林などの湿った林に生息している。

金沢では、山地、平地ともに生息しているが、ここ「本多の森」は、市街の中心であるにもかかわらず、河岸段丘なので古くから比較的自然が保たれ、タブ・スダジイなどの木々が茂る。

ここの森では毎年7月上旬から8月まで、ヒグラシの鳴き声を存分に聴くことができる。1日のうちでは主に朝夕に鳴くため、通勤・通学の時間帯と重なって、道ゆく市民の人々の耳に親しまれている。熱い夏の朝夕、市街地に一服の清涼感を醸し出している。

(5)寺町寺院群の鐘 43秒13分から

寺町寺院群は、加賀百万石の城下町金沢に流れる犀川の中流左岸に接する位置にある。その名のとおり70余りの寺院がつづき、古いたたずまいを残す、静かな町並みである。

このあたりでは、明け方と夕方に、どこからともなく聞こえてくる鐘が日々の時を告げている。朝方は家の中で、夕方は街の中で、鐘の音に耳をかたむけていると、古都「金沢」の落ち着きのある風情がそこはかとなく漂ってくる。

しかし、一時は撞き手が少なくなって、寺町寺院群から鐘の音が消えかかっていたという。そんな中、撞き手の少ない寺に代わって地元住民が鐘を撞く活動も増えている。

スタッフ

演出:岡田一男、鈴木由紀
撮影:谷口常也、草間道則
音声:磯山直樹、清水繁
ナレーター:石原良
プロデューサー:吉田博、岡田一男

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