日本の音風景100選から 秋田・山形編3話

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教育自然東京シネマ新社

作品概要

制作:東京シネマ新社 企画:日本ビクター
1998年 カラー 全30分

(1)風の松原 9分50秒

能代市街地を優しく包み込んでいる黒松林の「風の松原」は、秋田県の北西部に位置する能代海岸砂防林の愛称である。その規模は南北14キロに渡って続く松林で、日本の五大松原の1つに数えられている。

日本海から吹きつける潮風(北西風)と飛砂に背を向けて同じように傾く松林は、砂防林の役目を十分に果たすとともに、四季折々の散策、くつろぎの場、憩いの場として、市民生活と深い関わりを持っている。

黒松林を吹き抜ける風に枝々がいっせいにざわめき、風の音と松の音が渾然一体となって「松籟」という音風景を作り出す。季節、場所、樹齢によって微妙に違う松籟はまさに千変万化である。

(2)松の勧進のほら貝 9分56秒から

大晦日から元旦にかけて羽黒山頂で繰り広げられる、出羽三山神社の三大祭りの1つ「松例祭」。その浄財を集めるために行われる伝統行事が「松の勧進」だ。

毎年12月1日、市内の日枝神社に羽黒山の山伏が集結し、参拝後に旧庄内藩主の酒井家に城下を勧進するあいさつをする。山伏たちは、法螺貝の「ぶぉ~、ぐぶぉ~」という、なにかを呼び起こすような音を響かせながら、家内安全などを祈ったお礼を各家庭に配り歩く。

山伏の姿と法螺貝の音は、12月中旬まで、市街地のいたるところで出会うことができ、鶴岡に師走の訪れを告げる、伝統的な風物詩となっている。

(3)最上川河口の白鳥 20分40秒から

最上川は「五月雨をあつめて早し最上川」と俳聖松尾芭蕉の"奥の細道"でも詠まれているように、北に鳥海山、南に月山の雄峰を仰ぎ、堂々とそそぐ日本三大急流の1つとして知られている。

日本一の白鳥の飛来地である最上川スワンパークは、出羽大橋上流200mのところにあり、粉雪舞う最上川河口に白鳥が飛来したのは、大正初期からといわれている。

昭和47年(1972年)に鳥獣保護区に指定され、以来毎年白鳥たちはそこに集まり、最上川を喜び、満喫するかのような鳴き声を上げる。平成7年度には、6千余羽の白鳥が飛来してさらに脚光を浴びている。

スタッフ

演出:岡田一男、鈴木由紀
撮影:谷口常也、草間道則
音声:磯山直樹、清水繁
ナレーター:石原良
プロデューサー:吉田博、岡田一男



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